コクヨ株式会社

コンサルティングの事業拡大の一環として「THE CAMPUS」で行動データを可視化|コクヨ株式会社


多様なデータを掛け合わせた仮説検証が容易に

顧客に対する営業ツールとしても大きく貢献

導入の背景

導入製品 : Tableau Desktop、Tableau Server
 

「森林経営モデル」の一環として「THE CAMPUS」をオープン

文具・オフィス家具の提供や、オフィス設計・空間デザインなどを通じて、「働く」「学ぶ」「暮らす」に関する様々なニーズに応え続けているコクヨ株式会社。2021 年 2 月には「長期ビジョン CCC2030」を取締役会で決議し、戦略投資による事業創出と領域拡大を推進しています。「CCC」とは「Change」「Challenge」「Create」の頭文字取ったもの。そのビジョンの核となっているのが「森林経営モデル」へのシフトです。

「森林経営モデルとは、グループ共通資産である実験カルチャーを『土壌』とし、その上で複数の事業の『幹』を育て、数多くの事業で構成される『森』を作り上げていこうという考え方です」と説明するのは、コクヨ ワークスタイルイノベーション部でグループマネージャーを務める伊藤 毅 氏。この「土壌」の一つとして重視されているのが、データ活用だと言います。

「新たな事業の幹を生み出すには異なるアプローチの検証が必要です。お客様の働き方に関する新たな価値創造を行うには、実際のオフィスでの人々の動きや、オフィス空間の使われ方なども可視化し、そのデータを活用した提案を行うことが求められつつあります」。

そのための第一歩として行われたのが、2021 年 2 月の「THECAMPUS 」のオープン。これは「働き方の実験場」であり、働く人の位置情報などを取得する仕組みを組み込んでいます。それらのデータを可視化・分析する基盤として、Tableau Cloud が活用されています。

Tableau の導入・運用環境について

Tableau 活用を自ら実践し、その知見から新たなサービスを実現

THE CAMPUS での働き方は、自分らしい働き方・学び方・暮らし方によりそう「Life Based Wokring」を目指しています。そこで働く人々の位置はオフィス内に設置されたビーコンの仕組みで 1 分毎に取得され、Tableau によって「フロア別活動量」や「ヒートマップ」などの形で可視化されます。

「Tableau による可視化を行うため、まず 2020 年 11 月に情報システム部にヒートマップを作成してもらいました」と伊藤氏。しかしTHE CAMPUS をオープンしてからは、自らTableau を活用することで、仮説検証を繰り返してきたと言います。「2021 年 7 月にはパートナーを交え、プロジェクトメンバーの手で、正式にTHE CAMPUS 用のダッシュボードを開発しています」。

この間にセールスフォースのパートナーからトレーナーを招き、プロジェクトメンバー 10 名を対象とした Tableau の基礎トレーニングも実施。さらに 2021 年 9 月にも、Tableau の応用編に関するトレーニングを実施していると言います。「自ら実践することで、Tableau で何ができるのか、今後のコンサルティングにどのような形で活かせるのかが、具体的にイメージできるようになりました」。

さらに 2022 年 1 月には、THE CAMPUS で培った知見を顧客に提供する「ワークプレイスダッシュボード」を起案。同年7月にその開発に着手し、2022 年 11 月にリリースしています。

これは働き方に関する各種データをお客様から受け取り、Tableau の Viz で可視化するというもの。オフィス空間での活動データに加え、バーチャル空間での活動データも取り込み、働き方を多面的に分析できるサービスにすることが目指されています。

 

コクヨ 図版

Tableau Prep で CSV ファイルの全データを一気に可視化したときは、私はもちろんのこと関係者全員の目の色が変わりました。 課題感や目的意識を持っている人にとって、Tableau は非常に高い可能性のある基盤であると実感しました。

Tableau 選定の理由について

膨大なデータを軽快に扱えることや、洗練されたViz を評価

これら一連の取り組みを行う基盤として Tableau を選択した理由について、「情報システム部門から推薦されたからです」と伊藤氏。しかし実際に使うことで、改めていくつかの優位点を感じるようになったと語ります。

その 1 つが取り扱えるデータ量の多さです。

「約 2,000 人の位置情報を毎分取得しており、その件数は 1 時間で 12 万件、1 日 8 時間として 100 万件近いデータが蓄積されています。以前使っていた他のBI 製品では数千件までしかサンプリングできませんでしたが、Tableau はこれだけ膨大なデータを一気に扱うことができ、その動きも軽快です」。

また Viz のビジュアルが洗練されていることや、膨大なデータをフィルタリングしながら仮説検証を行いやすいことも、Tableau の魅力の 1 つだと指摘します。

「長期ビジョン CCC2030 のメッセージの中に『新しい働き方や学び方を生み出す』というものがありますが、Tableau の Viz なら『新しいことに取り組んでいる』という気持ちになりやすいのですね」。

Tableau の導入効果について

仮説検証が容易に、営業ツールとしても大きく貢献

THE CAMPUS やワークプレイスダッシュボードで Tableau を採用したことで、以下のようなメリットが生まれています。

多様なデータを掛け合わせた仮説検証が容易に

Tableau をデータ分析基盤にしたことで、ヒートマップでの可視化はもちろんのこと、複数のデータを掛け合わせた分析も容易になりました。また分析軸を切り替えることも容易なため、データを多様な視点から見ることも可能です。

「オフィス空間の利用実態が可視化されることで、どのような打ち手が適切なのかも明確になり、施策を立案・実施を自信を持って行えるようになりました。またアンケート調査では回答者の『その時々の気持ち』が入り込みやすいのですが、位置情報は物理的なデータであるため、より実態に即した分析が可能です」。

顧客に対する営業ツールとしても大きく貢献

THE CAMPUS に実装している Viz は、営業ツールとしても大きな貢献を果たしています。

「日経新聞社に取材を受け、その記事が 2021 年 8 月に公開されたのですが、そこから 20 件近くの問い合わせをいただきました」と伊藤氏。その後も THE CAMPUS を訪れた顧客から、位置情報の取得・分析に関する問い合わせを 100 件程度受けていると言います。

「働く場所や時間を自由に選ぶ働き方= ABW(Activity Based Working )の導入を検討している企業様が最近増えていますが、実際の働き方を可視化してお見せすることで、具体的なイメージがつかみやすくなります。2022 年 11 月にリリースしたワークプレイスダッシュボードも、お客様に新たな提案を行うためのフックとなる、重要なツールになると期待しています」。

セールスフォースと共に Tableau 活用を進めてきたことで、データ分析でできることが一気に増えました。今ではデータがコミュ ニケーションの重要手段になっており、これまで接点がなかった人ともデータでつながるようになっています。

今後の展開について

ワークプレイスダッシュボードを新たな事業の柱に

今後はデータを正しく取り扱える人材を育成すると共に、社内における「Tableau 仲間」を増やしていきたいと伊藤氏。またワークプレイスダッシュボードで提供する Viz の種類も増やしていく計画だと言います。

「具体的には、備品管理や経営指標ダッシュボードを作成し、これらをワークプレイスダッシュボードと連携させる、といったことを考えています。このようなサービスを実現できれば、データ分析は『新たな事業の幹を支える土壌』にとどまらず、そのものが『新たな事業の幹』になってくるはずです。これこそが将来に向けた、展望です」。

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