消費者の意識調査を『Macromill Weekly Index』として無償公開、Tableau Publicの活用でコロナ禍の消費マインドの分析を容易に


動的な分析の要望に対応するためTableauを導入
『Macromill Weekly Index』でもTableauを活用し、分析の自由度と速報性を向上
社会通念や価値観の変化でさらに高まるデータ利活用の重要性

株式会社マクロミルは2000年1月に設立され、ITを活用したマーケティングリサーチやデジタルマーケティングソリューションを提供する、グローバル・リサーチカンパニーです。世界20カ国・約50の拠点をベースに、最新テクノロジーをいち早く取り入れたサービスを開発・展開。唯一無二のグローバル・デジタル・リサーチ・カンパニーを目指し、マーケティングリサーチのほか、デジタルマーケティングやグローバルリサーチなど、顧客のニーズに最適なソリューションを提供しています。

その一方で2011年4月からは自社パブリシティのため、週次で定点観測を行う生活者の意識調査『Macromill Weekly Index』のデータ取得を開始し、購買実績や消費に対するマインドや景況感などのデータを、JavaScriptで作成したグラフなどで公開しています。さらに2020年4月からは、データ公開手段をTableau Publicに切り替え、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う生活者マインドの変化をいち早く伝えることで、この取り組みを社会貢献へとつなげています。

当社が継続して実施しているインターネットによる意識調査データとTableauを組み合わせることによって、どこよりも早く生活者の姿をお届けすることが可能になりました。新型コロナウイルス感染症という人類全体にとっての危機を迎え、社会的にも大きな課題を抱える中、調査会社としてわずかながらも社会貢献できたことを嬉しく思います

動的な分析の要望に対応するためTableauを導入

リサーチカンパニーであるマクロミルでは、日々膨大なデータを集計し、数多くの顧客に提供しています。以前はこの作業をMicrosoft ExcelやMicrosoft PowerPoint等で行っていましたが、顧客からの「さまざまな分析視点で動的に分析したい」という要望が増大、これへのスピーディーな対応が求められるようになっていました。この課題を解決するため、2017年にTableauを導入。当初は一部のプロジェクトでのテスト的な利用から始まりましたが、顧客から好評を得ることができ、その後徐々にユーザーが増大していきました。現在ではデータを扱う複数の部署において、総勢約50名がTableauを活用しています。

「当時は複数のBIツールが候補に上がっていたため、数か月間にわたって検討を進めていきました」と振り返るのは、マクロミルで上席執行役員を務める小池 直 氏。検討の上、スピーディーかつ多様な視点で分析が進められると期待し、Tableauに決定。Tableauの導入を決めてから最初のプロジェクトで活用するまでは、ほとんど時間がかからなかったと言います。

「Tableauはお客様自身でデータを分析する上で、たいへん便利なツールだと感じています。また初めてTableauをお使いになるお客様にご紹介する場合でも、使い方がわかりやすいため、すぐに使いこなしていただけます」。

主な使い方は以下の通りです。

まずマクロミルのアナリストが、自社で取得したアンケートデータやストックデータをTableauに搭載。これを分析するためのダッシュボードも作成し、顧客にTableauファイルとして提供します。その内容は、主にブランド知覚の変化を追尾する調査であるブランドトラッキング調査や、顧客満足度調査、広告の評価、消費者の利用実態を把握する調査など。データの更新頻度は週次で更新するものもあれば、年に1回の更新のものなどもあり、多岐にわたっています。

『Macromill Weekly Index』でもTableauを活用し、分析の自由度と速報性を向上

その一方で2020年4月28日からは、週次で定点観測を行う意識調査『Macromill Weekly Index』でのTableau Publicの活用も始まっています。これは購買実績や消費に対するマインド、景況感など、調査データのうち一部データを無償で公開しているものです。

「長期的に定点観測を行うことで、価値のあるデータが生まれるのではないか。このような仮説のもと、『Macromill Weekly Index』は、2011年3月からパイロットを実施し、現在は2013年4月からの調査データを公式に公開しています。過去1週間に消費した金額や、消費したモノ・サービスのカテゴリーの消費実態のほか、内閣府が実施している消費動向調査や景気ウォッチャー調査の調査票を参考にした、消費マインドや景況感なども幅広く聴取。内閣府や東京大学社会科学研究所(SSJDA)にもデータを提供しています」(小池氏)。

データの公開に関しては、以前は過去1年分の集計データをJavaScriptで作成したグラフなどをWeb公開する、という方法を採用していました。しかし新型コロナウイルス感染拡大に伴う消費マインドの大きな変化を目の当たりにし、サイト訪問者がこれを自由に分析できる状態にすることで、社会貢献につながるのではないかと考えたと言います。

「JavaScriptで作成したグラフでは過去1年分の全体像しか見ることができませんでしたが、このデータをTableau Publicで公開することで、ユーザー自らが多面的な分析を行えるようになりました。実際に2013年からのデータと比較すると、2020年2~4月の動きがはっきりとわかります。特に首都圏・関東では、消費マインドが著しく落ち込んでいるのです。このようなデータをエリア別や年代別など、さまざまな切り口で見ることが可能になっています」。

Tableau Publicを活用することで、調査実施から公開までのタイムラグも短縮できました。以前は人手で集計してグラフ作成を行っていたため、毎週水曜日に実施した調査の結果が発表されるのは、翌週の火曜日となっていました。これに対してTableau Publicでは、同週の金曜昼に公開可能となっています。「定点観測」という価値だけではなく、「速報性」という価値も高めることが可能になったのです。

JavaScriptで作成したグラフでは全体像しか見ることができませんでしたが、このデータをTableau Publicで公開することで、ユーザー自らが詳細な分析を行えるようになりました。エリア別や年代別など、さまざまな切り口で見ることが可能になっています

社会通念や価値観の変化でさらに高まるデータ利活用の重要性

Tableau Publicでの公開を開始してから約2か月間で、『Macromill Weekly Index』のアクセス数は4万ページビューを突破。調査データ公開サイトとしては、驚くべきアクセス数だと言えるでしょう。報道媒体からの引き合いも増えており、日本経済新聞や内閣府発表資料にも引用されていると言います。

「当社が継続して実施しているインターネット調査とTableauを組み合わせることによって、どこよりも早く生活者の姿をお届けすることが可能になりました」と小池氏。新型コロナウイルス感染症という人類全体にとっての危機を迎え、社会的にも大きな課題を抱える中、調査会社としてわずかながらも社会貢献できたことは嬉しいと語ります。「またTableau Public導入後のデータ公開では、これまで以上のページアクセスも獲得しており、これについても満足しています」。

5月25日に緊急事態宣言が解除されたことを受け、その後の消費マインドは着々と回復しつつあります。しかしこれからのウィズコロナ時代には、これまでどおりの経済活動には戻らないことを想定すべきだと小池氏は指摘します。

「この半年間で社会通念や生活者の価値観は大きく変化しました。このような状況下で企業が生き残っていくためには、冷静かつ迅速な意思決定を行う必要があります。データの利活用の重要性は、これまで以上に高くなっていくでしょう。当社が提供するような幅広いデータの中から、適切なものを取捨選択し、正しく取り扱っていくこと。このような取り組みを継続的に行うことが、これからの企業には求められるようになるのです」。

また、マクロミルでは2020年7月から、アジア5か国(中国・韓国・インドネシア・タイ・ベトナム)の生活者が調査対象となる『Macromill Weekly Index Asia』も開始。Tableau Publicを活用したデータ公開で、コロナに影響された生活者の意識や行動の変化をさらに広く伝えていきます。

Tableau Publicでの公開を開始してから約2か月間で、『Macromill Weekly Index』のアクセス数は4万ページビューを突破しました。報道媒体からの引き合いも増えており、日本経済新聞や内閣府発表資料にも引用されています